ウイークリーメールマガジンまぐまぐ「ダイビングポイント情報」別冊

全6回連載 テーマ:「水中写真の極意」

このページの情報はウィークリーメールマガジン まぐまぐ の「ダイビングポイント情報に連載されたものです。
毎週水曜日に更新していきます。


第1回 「海に行く前に」
第2回 「初めての水中写真」
第3回 「被写体探し」
第4回 「シャッターチャンス」
第5回 「マナーとメンテナンス」
第6回 「写真の使い道」



わしの名は人呼んで「まぐまぐ仙人」じゃ
ここ「百丈島」のナズマド近くに住み着いて130年になる。
なに!?「百丈島」をしらんのか?それでもおぬしはダイバーかの?
百丈島とは伊豆諸島のどこかにあるはずじゃ、誰でも1度ぐらいは行ったことがあるはずじゃがのう
ほれ、車のナンバーは品川ナンバーでクサヤとアシタバが美味しくて・・・
まあよい、いずれそのうちに来たくなるじゃろうて・・・・・。

実は、わしはプロの水中写真家ではないのじゃが、陸上と水中写真は大好きでのう
ダイビング雑誌や釣りの情報誌などに写真を提供したり
ほーむぺーじに画像を載せたり、お魚プリクラをつくたりと変なことばかりしているのじゃ!
時々下界の「ナズマド」にも現れたりするがワシを見かけたことがある者はおらんかのう?

ところで、今では約3割ほどのダイバーが何らかの水中写真(ビデオも含む)を持って
ダイビングをしていると言われておるが、これから水中写真を始めたいと思っているおぬしや
始めたばっかりのおぬしに、わしは是非この「水中写真の極意」を読んでんでもらい
水中写真テクニックの上達の参考にして欲しいと思っておるのじゃ。

そこでじゃ! 今までわしが自分で体験してきたことや師匠から教わったことなどを交えて
おぬしに失敗しない水中写真を撮るための極意を授けよう。





 「まぐまぐ仙人」はわしじゃ!!


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第1回 「海に行く前に」




一口に水中写真の器材と言っても様々な物があり、写るンデスをハウジングに入れた
初級の仙人でも使えるごく簡単な物からモーターマリンの様なオールマイティーな物、
ニコノスの様なプロの仙人も愛用する物、本格的仙人になると、1眼レフカメラをハウジングに
入れた物、そして最近の若い仙人の間では、流行のデジタルカメラまで
数えたらキリがないほどの数の多さで圧倒されてしまうのじゃが・・・・・・・

しかし、全ての器材に共通して言えることは、Oリングまたはゴムパッキンが無ければ
全て水没してしまうと言うことなのじゃ。
おぬしが大金を払ってやっと買った水中カメラをたった1回の失敗で水没させてしまうのは
なんともったいないことじゃろう。
かくいうこのわしも過去に1回だけ水没の経験があるのじゃ(;_;)
保険をかけていても実際に自分の愛着のあるカメラが塩水に濡れて二度と動かなくなっている
姿を見るのは本当に情けない物じゃぞ!
まして、ダイビングの初日にそれも海外でやっちゃった日にはショックで立ち直れないどころか
帰りはただの重いお荷物となってしまい税関の人に「何ですかこれは?」と聞かれて
事情を説明するのも腹立たしいので「カメラの塩漬けです」と答えた人もおるようじゃ。

そこで今回は、海に行く前の日のうれしくて舞い上がっている気持ちを静め
冷静にカメラとつきあうポイントを紹介しようかのう。
心して読んでおかれよ!
「なーんだそんなこと!」と侮るなかれ!物事は基本が大切なのじゃ!

1・マニュアルをよく理解すること
  自分の持っているカメラの操作に関して完璧に頭の中に入れておく必要があるのじゃ
  水の中でこれは何のボタンだったっけ?なんて言わないようによく読んでおくのじゃぞ。

2・フィルムの装てんは確実に
  ちゃんと入れたつもりでも確実に巻き上げているのか必ず確認するのじゃ
  カラ回しほどむなしい物はないからのう。

3・ストロボの充電をしっかりと
  ダイビングポイントに行ってストロボの充電が不完全だったりすると、とっても空しいのじゃ
  できあがった写真は青っぽくなってしまい生き物の色がうまく出ないぞ。
  予備のバッテリーも充電して持っていくと安心じゃぞ。
  むろんのこと充電器は持っていくように!しかと頼んだぞ。

4・コード類の接続はしっかりと
  コネクター(*1)からの水没が一番多いそうじゃ
  Oリングもさることながら最後まできっちりと締めるのじゃ。
  
5・Oリングにご用心!
  わかっていてもやっちゃうのね!
  シリコングリスを塗りすぎるとかえってゴミなどがつきやすいのじゃ
  タオルやティッシュを使って拭くのは絶対にやってはイカン
  Oリングを拭くときはよく洗った自分の指が一番よいのじゃぞ。
  ねじれやひび割れがないかもよく見るのじゃ!

6・テスト撮影は必ずするのじゃ!
  ふたを閉めたら各部の動作が確実に動くかどうかまたストロボは
  ちゃんと光るのかどうかを確認するのじゃ。
  1眼レフのハウジングの場合ペンタ部のシンクロコードが
  セットした時フタに挟まれ海に持っていく前に庭のバケツで水没した人もおるのじゃ!

7・最低の工具と予備の電池やフィルムは持ったかな?
  海外では手に入りにくいこともあるのでドライバーやピンセット
  綿棒やレンズクリーナーなどを持っていくのは当たり前なのじゃ!
  フィルムもリバーサル(スライド用)は旅先ではなかなか手に入りにくいぞ!

8・ハウジングテストは必ず行うのじゃ!
  初めてハウジングを使うときには中のカメラを抜いてハウジングだけ水につけるのじゃ。
  浮力が強いのでウエイトは重めにするといいぞ!
  アクリルのハウジングの場合クラック(ひび割れ)があるかもしれないぞ。
  ダイビング中に常に手に何かを持つことがいかに大変なことかこのとき初めてわかるのじゃ!
  
以上8項目はダイビングに出かける前に必ずやっておく必要があるのじゃ!
プロは基本を怠るような事は絶対にしないのじゃ!
それが極意の第一歩じゃぞ!!

ここまで読んだおぬしはすでに初段の実力じゃ!
安心してカメラを水に浸けるがよい!!!
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*1 コネクター カメラに(ハウジングも含む)ストロボからのコードを付けるところ
           ネジ山が切ってありOリングがあることによって水が入らない構造になっている。
           この部分の締め付けが緩いと水没してしまう。 


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